起業の準備

起業に向けた準備

皆さんは、なぜ起業するのでしょうか。動機はさまざまでしょう。「他人に使われるよりも、自分で事業をしたい」「経験、知識を活かしたい」「技術、アイデアを事業化したい」というように能力発揮の場として起業される方々が多いようです。
しかし、起業した後、思うように売上が上がらず、短期間で廃業となることも多いのが現実です。そうならないために、起業に向けた準備を十分に行いましょう。

起業の動機・目的を明確にする

経営理念(ミッション、ビジョン)を明確にする必要があります。社会に果たすべき使命(ミッション)、事業を通して実現したいこと(ビジョン)を書きだしましょう。
起業の動機・目的が明確で強いほど事業経営で困難に陥った時に、それを乗り越える強い意志が生まれます。原体験に基づいた「なぜこの事業をやっているのか」という動機・目的を持っている起業家は強いと言われています。

協力者の確保

事業の成功は自分ひとりで達成できるものではありません。家族や友人・知人の協力が不可欠です。成功者の多くが、家族などの協力を得ています。

資金の準備

計画的に資金を準備しましょう。一般的には起業に必要な資金の5割程度は自分で準備する必要があると言われています。

ノウハウや知識の確保

これから始める事業分野について、十分なノウハウや知識が必要です。不足するノウハウや知識を補う発想やアイデアも必要です。

事業アイデアの発見

一般的には皆さんが経験した事業分野や得意なこと、自分自身の強みを軸に事業アイデアを検討することになりますが、まずは、広い視野でさまざまな市場の中で、時流のキーワードから事業アイデアを探しましょう。

市場別キーワードから事業アイデアを発見する

分野 キーワード 事業アイデア
中・高齢者市場 健康志向 中・高齢者向けスポーツ施設
中・高齢者市場 田舎暮らし 田舎暮らし支援事業
中・高齢者市場 生きがいのある暮らし 中・高齢者向け旅行・飲食

不便なことなどから事業アイデアを発見する

分野 キーワード 事業アイデア
不便 車のオイル交換が面倒 配達型オイル交換サービス
不便 スポーツのときに眼鏡が邪魔 ツルを耳に留める眼鏡の開発

自分自身の強みを把握する

これから始める事業を成功に導くためには、自分自身が持つ「強み」を把握し、これを活かした事業を検討することが必要です。
強みとは、自分自身が持っている知識・経験、資格、技術力、商品・サービス力、販売力などの特徴のことです。

事業環境の変化を把握する

事業を取り巻く環境の変化は、これから行う事業にとって、プラスとなる「機会」、マイナスとなる「脅威」のどちらにもなる可能性があります。環境の変化を活かせる事業を考えることは、成功に近づく重要なポイントです。
環境の変化は、大きくマクロ環境とミクロ環境の二つに分けることができます。

マクロ環境

マクロ環境の分析にはPEST分析という方法があります。マクロ環境を大きく4つの要因に分け、その英語の頭文字をとったものです。

①Politics(政治、法律関連要因)
政治の動向、法律や通達、業界団体の内規などの状況を見ることです。
②Economic(経済的要因)
インフレ・デフレ、景気の動向、為替・金利などの経済の状況を見ることです。
③Social(社会、文化的要因)
少子化が教育機関にとって大きな影響があるというような社会的要因を見ることです。
④Technology(技術的要因)
技術革新などの状況を見ることです。

ミクロ環境

ミクロ環境は、マクロ環境の変化を受け現れた状況、商品を言います。業界構造、競争環境、製品動向などを見ることです。

情報を収集する

事業を検討するときに、関連した情報を収集する必要があります。北九州市や国などが開設しているホームページからさまざまな情報を入手することができます。人口や企業数の変化、家計支出などの必要な情報を無料で入手することができます。

北九州市のホームページ   http://www.city.kitakyushu.lg.jp/
国(政府統計の総合窓口)  http://www.stat.go.jp/
法令データ提供システム   http://law.e-gov.go.jp/

事業概要を考える

事業概要を考えるとき、誰に、何を、どのように提供するかということが重要になります。また、提供する商品・サービスが解決する課題や満たすニーズに、きちんとお金を払ってくれるユーザーがどれくらい存在するのかユーザー目線でとことん考えることが重要です。自分をユーザーと同じ状況において、自分だったら本当に買うだろうかと考えてみることが必要です。事業概要は、次のように考えていきましょう。

○事業の範囲

これから始める事業の範囲を検討しましょう。事業の範囲は、具体的なターゲット顧客や提供する商品・サービスそして、競合他社との差別化などにも関連する重要な項目です。

ターゲット顧客

ターゲット顧客の設定は、自分自身の強みや環境変化、立地、提供する商品・サービスなどに基づいて総合的に検討し、最も市場性のあるものに設定する必要があります。

提供する商品・サービス

提供する商品・サービスの選定は、事業を行う上で最も重要な項目です。ターゲット顧客の求めているものを提供することが大切です。「何が提供できるか」ではなく、「何が求められているのか」という視点が重要です。
顧客が求めているもの(ニーズ)には、明確になっている顕在ニーズと明確になっていない潜在ニーズがあります。潜在ニーズは把握しづらいものですが、誰も気づいていないニーズであり、うまく事業化することで成長が見込めます。日頃から潜在ニーズを把握するように努めましょう。

競合他社に勝つための差別化

競合他社がある既存事業を行う場合は、新規に参入し顧客を獲得しなければならず、競合他社に勝つための差別化が必要です。また、全く新しい事業で既存事業者が存在していない場合でも、市場性や収益性がある事業であれば、すぐに競合他社の参入が始まります。いずれにしても競合他社に勝つためには、差別化が必要です。
差別化には、商品・サービス、販売ルート、販売方法、流通システムなどによるものが考えてられます。

具体的な準備

「起業に向けた準備」から「事業概要を考える」までの構想が整ったら、事業計画の作成に進みましょう。
事業計画を書くことが大変重要です。自分で書くことにより、本当に考えることになります。そして、事業計画協力者などに見せることでさらに洗練されたものになっていきます。